2025年9月24日水曜日

SPICEによるステッピングモーターのデバイスモデリングに関するブリーフィング

 

SPICEによるステッピングモーターのデバイスモデリングに関するブリーフィング

要旨

本資料は、システムレベルのシミュレーションへの統合を目的とした、SPICEを用いたステッピングモーターのデバイスモデリング手法について詳述する。中核となるアプローチは、実測されたインピーダンス特性を正確に再現する周波数モデルの構築にある。このモデルは、3素子、5素子、ラダーモデルといった異なる複雑度の回路で表現される。さらに、モデルの精度を向上させるため、モーターの回転速度に依存する逆起電力(Back EMF)を考慮した内部電圧依存性が組み込まれている。シミュレーションによる検証では、異なるクロック速度(pps)における相電流の立ち上がり時間を分析し、モデルの動的挙動の妥当性が示されている。このモデリング手法により、システム全体におけるモーターの電気的挙動を忠実に予測することが可能となる。

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1. モデリングの目的とアプローチ

このモデリングプロジェクトの主な目的は、ステッピングモーターの挙動を正確にモデル化し、システム全体のシミュレーションに組み込むことである。これにより、より精度の高い回路設計と検証が可能となる。

  • 対象デバイス: TECO ELEC. & MACH.CO.,LTD.製ユニポーラステッピングモーター 4H4018-X0101
    • 定格電圧: DC 12.0 V
    • 定格電流: 0.23 A/Phase
    • ステップ角: 1.8度
    • リード線: 6本
  • 基本手法: 周波数モデルを用いて、モーターのインピーダンス特性を再現する。

2. 周波数モデルの開発と拡張

モデリングの中核は、モーターの電気的特性を周波数領域で正確に捉えることにある。これには、基本的なインピーダンスモデルの構築と、モーターの動作状態を反映する動的要素の追加が含まれる。

2.1 インピーダンス特性の整合

モーターのコイル巻線インピーダンスは、モデルの基本特性を決定する重要なパラメータである。

  • 測定: 高精度インピーダンスアナライザ(Agilent 4294A)を用いて、実際のモーターのインピーダンス対周波数特性を測定する。
  • モデル構築: 測定データとシミュレーション結果が一致するように、SPICEモデルを構築する。この際、要求される精度に応じて、単純な3素子モデルから、より広帯域をカバーするラダーモデルへとモデルの複雑度を上げていく。
  • 結果: 提示されたグラフでは、シミュレーションモデルが広範な周波数帯域(100 Hzから10 MHz以上)にわたり、測定されたインピーダンス特性と高い整合性を示している。

2.2 内部電圧依存性(逆起電力)の組み込み

静的なインピーダンス特性に加え、モーターの回転によって生じる動的な要素をモデルに組み込むことが不可欠である。

  • 逆起電力(Back EMF): モーターの回転速度に比例して発生する電圧であり、電流の流れに影響を与える。
  • モデルへの実装: 周波数モデルに逆起電力を表す電圧源(AEMF)を追加する。
  • 目標: 最終的に、モーターの回転速度(pps)を入力として逆起電力の電圧値を決定する関数をモデル内に作成し、より現実に即したシミュレーションを実現することを目指す。

3. シミュレーションによるモデル検証

開発されたモデルの妥当性を検証するため、具体的な駆動回路を用いたシミュレーションが実施される。

3.1 シミュレーション回路構成

検証には、ステッピングモーターを駆動するための代表的な回路が使用される。

  • 駆動回路: 理想的なMOSFETを使用したHブリッジ回路が例示されている。モーターモデルは、この駆動回路に接続される。
  • 制御信号: モーターモデルの速度は、PARAMETERS: pps=で設定されたクロック信号に同期して制御される。これにより、任意の速度条件でのシミュレーションが可能となる。
  • 電流制御: さらに、PWMコントローラを用いて相電流を設定値(例:0.100A)に調整する回路も示されている。これにより、実際のアプリケーションに近い条件での検証が行える。

3.2 モーター速度と電流立ち上がり時間の関係

シミュレーションを通じて、モーターの速度が電流の立ち上がり時間に与える影響が分析されている。これは、逆起電力の効果が正しくモデル化されているかを確認するための重要な指標となる。

  • 分析内容: クロックレートを変化させ、各速度における相電流が目標値に達するまでの立ち上がり時間を測定する。
  • シミュレーション結果: モーターの回転速度が上昇するにつれて、逆起電力の影響が大きくなり、相電流の立ち上がり時間がわずかに増加する傾向が確認された。

速度 (pps)

相電流立ち上がり時間 (µs)

600

172.935

750

173.619

1000

174.773

この結果は、モデルがモーターの動的な電気的挙動を適切に捉えていることを示唆している。

4. 結論

本資料で概説された手法は、SPICEを用いてステッピングモーターのデバイスモデルを体系的に構築するプロセスを示している。このモデルは、実測されたインピーダンス特性を正確に再現する周波数モデルと、モーターの回転速度に依存する逆起電力の要素を統合している。シミュレーションによる検証結果は、モデルが異なる動作条件下でのモーターの動的挙動を忠実に予測できることを裏付けている。この高精度なモデルを活用することで、モーター駆動回路を含む電子システム全体の設計効率と信頼性を大幅に向上させることが期待される。

SPICEを使用したステッピングモーターのデバイスモデリング学習ガイド

SPICEを使用したステッピングモーターのデバイスモデリング学習ガイド

このガイドは、SPICEを使用したステッピングモーターのデバイスモデリングに関する文書の理解度を確認し、深めるために作成されました。クイズ、小論文課題、用語集を通じて、主要な概念を復習します。

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理解度確認クイズ

以下の10の質問に、それぞれ2~3文で簡潔に答えてください。

  1. この文書で解説されているステッピングモーターモデリングの最終的な目標は何ですか?
  2. 文書に記載されている周波数モデルには、どのような種類がありますか?
  3. モデリングの例として使用されているステッピングモーターの具体的なモデル名と仕様を挙げてください。
  4. モーターの巻線インピーダンス特性は、どのような測定器を使用して取得されましたか?
  5. 内部電圧依存性を考慮したモデルは、主に2つの要素で構成されています。その2つの要素とは何ですか?
  6. シミュレーション回路例において、モーターの速度条件はどのように設定されますか?
  7. モーター駆動回路におけるPWMコントローラーの役割は何ですか?
  8. シミュレーション結果によると、クロックレートが600ppsから1000ppsに増加すると、相電流の立ち上がり時間はどのように変化しますか?
  9. より正確なモデルを開発するために、モーター速度と何の要素の関係を関数化することが提案されていますか?
  10. 文書で示されているモーター駆動回路の構成要素には、どのようなものがありますか?

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解答

  1. 最終的な目標は、ステッピングモーターの挙動を正確にモデル化し、システム全体のシミュレーションに統合することです。これにより、より現実に近いシミュレーションが可能になります。
  2. 周波数モデルには、特定の周波数点や帯域を表現するために、3素子モデル、5素子モデル、そしてラダーモデルの3種類が記載されています。ラダーモデルは3素子モデルから発展した、より詳細なモデルです。
  3. TECO ELEC. &MACH.CO.,LTD.製のユニポーラステッピングモーター「4H4018-X0101」が使用されています。仕様はDC電圧12.0V、定格電流0.23A/相、ステップ角1.8度、リード線6本です。
  4. 巻線インピーダンスと周波数の特性は、高精度インピーダンスアナライザ(Agilent 4294A)を使用して測定されました。この実測データが、シミュレーションモデルの精度検証に使われています。
  5. 内部電圧依存性を考慮したモデルは、「インピーダンス」と「逆起電力(Back EMF)」の2つの主要な要素で構成されています。これにより、モーターの電気的特性と動作による電圧生成の両方を表現します。
  6. モーターの速度は、クロック信号の周波数によって決まります。シミュレーション回路のパラメータ設定部分にある「PARAMETERS: pps=」に、pps(pulse per second)単位で値を入力することで設定します。
  7. PWMコントローラーは、設定された電流値になるように相電流を調整(regulate)する役割を担います。これにより、モーターの電流を一定のレベルに保ち、安定した動作を実現します。
  8. シミュレーション結果では、クロックレートが600ppsから750pps、1000ppsへと増加するにつれて、相電流の立ち上がり時間は172.935μsから173.619μs、174.773μsへとわずかに増加しています。
  9. モーターの速度(pps)と逆起電力(Back EMF Voltage)の関係をモデル化する関数を作成することが提案されています。これにより、速度に応じた逆起電力の変化をシミュレーションに反映させ、モデルの精度を向上させることができます。
  10. モーター駆動回路は、マイクロコントローラー、PWMコントローラーIC、出力デバイス(MOSFETなど)、そしてステッピングモーター本体で構成されています。マイクロコントローラーが制御信号を送り、PWMコントローラーと出力デバイスがモーターを駆動します。

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小論文課題

以下のテーマについて、文書の内容を基に論述してください。(解答は提供されません)

  1. 文書で示されているステッピングモーターの周波数モデルの進化について説明してください。3素子モデルからラダーモデルへの移行、さらに内部電圧依存性を追加する目的と、それがモデルの精度にどのように貢献するかを論じなさい。
  2. 文書に示されたステッピングモーター駆動回路のシミュレーションプロセスを詳細に説明しなさい。特に、モーター速度の設定方法、相シーケンス制御、PWMによる相電流の調整メカニズムに焦点を当てて論じなさい。
  3. シミュレーションによって得られたモーターのクロック速度と相電流の立ち上がり時間の関係を分析しなさい。600pps、750pps、1000ppsの各条件下での結果を比較し、この結果がモーターの性能にどのような影響を与える可能性があるか考察しなさい。
  4. 文書全体で概説されている、正確なステッピングモーターのSPICEモデルを作成するための方法論を要約しなさい。インピーダンスの測定から始まり、周波数モデルの構築、逆起電力の組み込みに至るまでの各ステップの重要性を説明しなさい。
  5. ステッピングモーターモデルにおける逆起電力(Back EMF)の役割とその重要性について論じなさい。なぜモーター速度に基づいて逆起電力をモデル化する関数を作成することが、シミュレーション精度向上のための重要な次のステップとなるのかを説明しなさい。

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用語集

用語

説明

SPICE

(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)電子回路の動作をシミュレートするためのソフトウェア。本文書では、ステッピングモーターの挙動をこのソフトウェア上で再現するためのモデル作成について論じている。

ステッピングモーター

パルス信号に同期して、一定の角度(ステップ角)ずつ回転するモーター。本文書ではTECO社製のユニポーラモーター「4H4018-X0101」がモデリング対象となっている。

周波数モデル

モーターのインピーダンスなど、周波数によって変化する電気的特性を表現するための等価回路モデル。3素子、5素子、ラダーモデルなどの種類がある。

ラダーモデル

はしご状に素子を接続した回路モデル。本文書では、3素子モデルから発展させ、より広い周波数帯域でインピーダンス特性を正確に表現するために用いられている。

インピーダンス

交流回路における電圧と電流の比で、抵抗、コイル、コンデンサの成分を合わせたもの。モーターの電気的特性を示す重要な指標であり、周波数によって値が変化する。

逆起電力 (Back EMF)

モーターが回転することによって、コイル内に発生する電圧。モーターの回転速度に依存し、モデルの精度を高めるために考慮される重要な要素である。

pps (pulses per second)

1秒あたりのパルス数。ステッピングモーターの回転速度を示す単位として使用される。シミュレーションではクロック信号の周波数として設定される。

PWM (Pulse Width Modulation)

パルス幅変調。パルスの幅(ONになっている時間)を変化させることで、出力される電圧や電流を制御する技術。モーター駆動回路では、相電流を設定値に保つために用いられる。

立ち上がり時間 (Rise Time)

電流や電圧が、ある規定の値(例:最終値の10%)から別の規定の値(例:最終値の90%)まで上昇するのに要する時間。本文書では、モーター速度が相電流の立ち上がりに与える影響をシミュレーションで検証している。

4H4018-X0101

文書中でモデリングの対象となっている、TECO ELEC. &MACH.CO.,LTD.製のユニポーラステッピングモーターの型番。

SPICEを使用したステッピングモーターのデバイスモデリング学習ガイド

このガイドは、SPICEを使用したステッピングモーターのデバイスモデリングに関する文書の理解度を確認し、深めるために作成されました。クイズ、小論文課題、用語集を通じて、主要な概念を復習します。

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理解度確認クイズ

以下の10の質問に、それぞれ2~3文で簡潔に答えてください。

  1. この文書で解説されているステッピングモーターモデリングの最終的な目標は何ですか?
  2. 文書に記載されている周波数モデルには、どのような種類がありますか?
  3. モデリングの例として使用されているステッピングモーターの具体的なモデル名と仕様を挙げてください。
  4. モーターの巻線インピーダンス特性は、どのような測定器を使用して取得されましたか?
  5. 内部電圧依存性を考慮したモデルは、主に2つの要素で構成されています。その2つの要素とは何ですか?
  6. シミュレーション回路例において、モーターの速度条件はどのように設定されますか?
  7. モーター駆動回路におけるPWMコントローラーの役割は何ですか?
  8. シミュレーション結果によると、クロックレートが600ppsから1000ppsに増加すると、相電流の立ち上がり時間はどのように変化しますか?
  9. より正確なモデルを開発するために、モーター速度と何の要素の関係を関数化することが提案されていますか?
  10. 文書で示されているモーター駆動回路の構成要素には、どのようなものがありますか?

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解答

  1. 最終的な目標は、ステッピングモーターの挙動を正確にモデル化し、システム全体のシミュレーションに統合することです。これにより、より現実に近いシミュレーションが可能になります。
  2. 周波数モデルには、特定の周波数点や帯域を表現するために、3素子モデル、5素子モデル、そしてラダーモデルの3種類が記載されています。ラダーモデルは3素子モデルから発展した、より詳細なモデルです。
  3. TECO ELEC. &MACH.CO.,LTD.製のユニポーラステッピングモーター「4H4018-X0101」が使用されています。仕様はDC電圧12.0V、定格電流0.23A/相、ステップ角1.8度、リード線6本です。
  4. 巻線インピーダンスと周波数の特性は、高精度インピーダンスアナライザ(Agilent 4294A)を使用して測定されました。この実測データが、シミュレーションモデルの精度検証に使われています。
  5. 内部電圧依存性を考慮したモデルは、「インピーダンス」と「逆起電力(Back EMF)」の2つの主要な要素で構成されています。これにより、モーターの電気的特性と動作による電圧生成の両方を表現します。
  6. モーターの速度は、クロック信号の周波数によって決まります。シミュレーション回路のパラメータ設定部分にある「PARAMETERS: pps=」に、pps(pulse per second)単位で値を入力することで設定します。
  7. PWMコントローラーは、設定された電流値になるように相電流を調整(regulate)する役割を担います。これにより、モーターの電流を一定のレベルに保ち、安定した動作を実現します。
  8. シミュレーション結果では、クロックレートが600ppsから750pps、1000ppsへと増加するにつれて、相電流の立ち上がり時間は172.935μsから173.619μs、174.773μsへとわずかに増加しています。
  9. モーターの速度(pps)と逆起電力(Back EMF Voltage)の関係をモデル化する関数を作成することが提案されています。これにより、速度に応じた逆起電力の変化をシミュレーションに反映させ、モデルの精度を向上させることができます。
  10. モーター駆動回路は、マイクロコントローラー、PWMコントローラーIC、出力デバイス(MOSFETなど)、そしてステッピングモーター本体で構成されています。マイクロコントローラーが制御信号を送り、PWMコントローラーと出力デバイスがモーターを駆動します。

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小論文課題

以下のテーマについて、文書の内容を基に論述してください。(解答は提供されません)

  1. 文書で示されているステッピングモーターの周波数モデルの進化について説明してください。3素子モデルからラダーモデルへの移行、さらに内部電圧依存性を追加する目的と、それがモデルの精度にどのように貢献するかを論じなさい。
  2. 文書に示されたステッピングモーター駆動回路のシミュレーションプロセスを詳細に説明しなさい。特に、モーター速度の設定方法、相シーケンス制御、PWMによる相電流の調整メカニズムに焦点を当てて論じなさい。
  3. シミュレーションによって得られたモーターのクロック速度と相電流の立ち上がり時間の関係を分析しなさい。600pps、750pps、1000ppsの各条件下での結果を比較し、この結果がモーターの性能にどのような影響を与える可能性があるか考察しなさい。
  4. 文書全体で概説されている、正確なステッピングモーターのSPICEモデルを作成するための方法論を要約しなさい。インピーダンスの測定から始まり、周波数モデルの構築、逆起電力の組み込みに至るまでの各ステップの重要性を説明しなさい。
  5. ステッピングモーターモデルにおける逆起電力(Back EMF)の役割とその重要性について論じなさい。なぜモーター速度に基づいて逆起電力をモデル化する関数を作成することが、シミュレーション精度向上のための重要な次のステップとなるのかを説明しなさい。

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用語集

用語

説明

SPICE

(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)電子回路の動作をシミュレートするためのソフトウェア。本文書では、ステッピングモーターの挙動をこのソフトウェア上で再現するためのモデル作成について論じている。

ステッピングモーター

パルス信号に同期して、一定の角度(ステップ角)ずつ回転するモーター。本文書ではTECO社製のユニポーラモーター「4H4018-X0101」がモデリング対象となっている。

周波数モデル

モーターのインピーダンスなど、周波数によって変化する電気的特性を表現するための等価回路モデル。3素子、5素子、ラダーモデルなどの種類がある。

ラダーモデル

はしご状に素子を接続した回路モデル。本文書では、3素子モデルから発展させ、より広い周波数帯域でインピーダンス特性を正確に表現するために用いられている。

インピーダンス

交流回路における電圧と電流の比で、抵抗、コイル、コンデンサの成分を合わせたもの。モーターの電気的特性を示す重要な指標であり、周波数によって値が変化する。

逆起電力 (Back EMF)

モーターが回転することによって、コイル内に発生する電圧。モーターの回転速度に依存し、モデルの精度を高めるために考慮される重要な要素である。

pps (pulses per second)

1秒あたりのパルス数。ステッピングモーターの回転速度を示す単位として使用される。シミュレーションではクロック信号の周波数として設定される。

PWM (Pulse Width Modulation)

パルス幅変調。パルスの幅(ONになっている時間)を変化させることで、出力される電圧や電流を制御する技術。モーター駆動回路では、相電流を設定値に保つために用いられる。

立ち上がり時間 (Rise Time)

電流や電圧が、ある規定の値(例:最終値の10%)から別の規定の値(例:最終値の90%)まで上昇するのに要する時間。本文書では、モーター速度が相電流の立ち上がりに与える影響をシミュレーションで検証している。

4H4018-X0101

文書中でモデリングの対象となっている、TECO ELEC. &MACH.CO.,LTD.製のユニポーラステッピングモーターの型番。

2025年9月17日水曜日

デジタル実証:バーチャル試作はいかに全てを変えたか


 PSpiceという回路シミュレーションソフトウェアの利用方法に焦点を当てています。具体的には、電子部品の「デバイスモデリング」の理論と実際の手順を詳細に解説し、様々な種類の半導体部品、受動部品、バッテリーなどのモデル化の事例を紹介しています。また、回路解析シミュレーションを効果的に実施するための環境構築、例えばデバイスモデルの整備やテンプレートの利用の重要性を強調しています。最終的には、PWM ICを採用した電源回路やDCモーター制御回路といった具体的な応用例を通して、PSpiceを用いた回路開発時間の短縮やコスト削減、問題解決への貢献を示しています。

見えない設計図:デバイスモデル

 


回路設計者向けの提案書であり、デバイスモデルを活用した回路設計の効率化に焦点を当てています。具体的には、SPICEモデルと呼ばれるシミュレーション技術を利用して、半導体部品、受動部品、バッテリーなどのさまざまな電子部品の特性をコンピュータ上で再現し、開発時間とコストの削減を提案しています。また、回路シミュレーションを通じて部品の評価やトラブルシューティングを行うことで、設計プロセスの改善と品質向上に貢献すると説明されています。この提案書は、株式会社ビー・テクノロジーが2004年に作成したもので、同社のデバイスモデリング技術の専門性と、その技術を世界中の設計者に提供するというビジョンが示されています。

2025年9月14日日曜日

MATLABソフトウェアを用いた二次電池やキャパシタのモデル提供


MATLABソフトウェアを用いた二次電池やキャパシタのモデル提供
について説明しています。特に、Simulinkブロックで構築された高精度なSPICE互換モデルが、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、リチウムイオンキャパシタ、および電気二重層キャパシタ向けに利用可能であることが強調されています。ユーザーは、充電・放電特性図からカスタムモデルを作成したり、データシートからパラメータを入力してシンプルなモデルを生成したりすることができます。また、ハイブリッド回路シミュレーションの事例として、バッテリーシステム単独とバッテリー・キャパシタハイブリッドシステムの比較を通して、高電流波形におけるハイブリッド回路の優位性が示されています。



ビー・テクノロジー MATLABモデル開発の軌跡

MATLABモデルご提供について - タイムラインと登場人物

このソースは、ビー・テクノロジー社によるMATLABモデルの提供、特に二次電池とキャパシタのシミュレーションモデルに関する一連の活動と、関連するSPICEモデル、セミナー、および技術的なプレゼンテーションを記録したものです。

詳細なタイムライン

2011

  • 201195: Bee Technologiesの概要と製品に関するプレゼンテーション資料「Overview and Products of Bee Technologies (05SEP2011)」が公開される。

2013

  • 20131015: リチウムイオンバッテリーモデルの評価に関するPDF資料「Evaluation of Lithuim-Ion Battery model (MicroCap9)_15OCT2013」が公開される。

2014

  • 20141222: 太陽電池のSPICEモデルの基礎に関するプレゼンテーション資料「太陽電池のスパイスモデルの基礎(22DEC2014)」が公開される。

2015

  • 2015227: マルツエレック株式会社と共同で、「Spiceを活用した二次電池アプリケーション回路シミュレーションセミナー資料 27 feb2015」が開催・公開される。

  • 201542: シンプルモデルの種類に関するプレゼンテーション資料「シンプルモデルの種類について(02APR2015)」が公開される。
  • 2015417:
  • MATLABモデルの開発状況に関するプレゼンテーション資料「MATLABモデル開発中(17APR2015)」が公開される。
  • シンプルモデルの種類に関するプレゼンテーション資料「シンプルモデルの種類について(17APR2015)」が公開される。
  • 2015421: シンプルモデルの種類に関するプレゼンテーション資料「シンプルモデルの種類について(21APR2015)」が公開される。
  • 2015422: 太陽電池のSPICEモデルの基礎に関するプレゼンテーション資料「太陽電池のスパイスモデルの基礎 (22APR2015)」が公開される。
  • 2015526: ビー・テクノロジー社より、「MATLABモデルご提供について」のプレゼンテーション資料が公開される。この資料では、二次電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池)およびキャパシタ(リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ)のMATLABモデル提供開始が発表され、カスタムモデリングとシンプルモデルの選択肢、およびハイブリッド回路シミュレーションの事例が紹介される。
  • 201565:
  • SPICE MATLABユーザー向けの二次電池シミュレーションセミナー資料「SPICE MATLABユーザー向け二次電池シミュレーションセミナー資料(05JUN2015)」が公開される。
  • マルツエレック株式会社と共同で、「Spice matlab ユーザー向け二次電池シミュレーションセミナー資料 05 jun2015」が開催・公開される。

2023

  • YAPC::Kyoto2023 (日付不明): 土屋俊介による「ChatGPTと文字コード.YAPC::Kyoto2023 LT.」が開催される。

2024

  • 20245: SPICE PARKにおける太陽電池モデルの更新情報「Update 46 models(Solar Cell) in SPICE PARK(MAY2024)」が公開される。
  • 20246:
  • SPICE PARKにおける汎用ダイオードモデルの更新情報「Update 33 models(General Diode ) in SPICE PARK(JUN2024)」が公開される。
  • SPICE PARKの総モデル数に関する情報「SPICE PARK JUN2024 ( 6,826 SPICE Models )」が公開される。
  • 20247:
  • SPICE PARKにおける太陽電池モデルの更新情報「Update 40 models( Solar Cell ) in SPICE PARK(JUL2024)」が公開される。
  • SPICE PARKの総モデル数に関する情報「SPICE PARK JUL2024 ( 6,866 SPICE Models )」が公開される。

2025

  • 2025 (日付不明): Kaoru Maedaによる「LL2025 キミならどう書く~AI編~ 3つのLLM3つの言語でパズルソルバーを作成」が開催される。

  • 2025 (日付不明): Kaoru Maedaによる「macOSIME作ってみた 漢字直接入力IMEMacTcodeについて LT ODC2025」が開催される。

  • 2025 (日付不明): すぎもと組による「書籍カバー画像配信API opencoverの開発 Code4Lib JAPAN カンファレンス 2025」が発表される。
  • 202595: ssuser370dd7による「電子情報通信学会_NS研究会20250905_1.pptx_クラウドネイティブなテレコム装置のトラフィック制御の一考察-eBPFLSTMを利用したダ...」が発表される。

キャスト・オブ・キャラクターズ

  • Tsuyoshi Horigome (堀米 毅)所属: ビー・テクノロジー (SiamBee Technologies)
  • 概要: 本ソースの大部分のプレゼンテーション資料の著者であり、MATLABモデル、SPICEモデル、特に二次電池、キャパシタ、太陽電池、IGBT、パワー半導体(SiC)などのシミュレーションモデル開発、提供、および関連セミナーの講師を務める主要人物。電気回路シミュレーション技術の専門家として、自動車業界向けのEVHEVシミュレーションや、高周波回路のノイズ抑制など幅広い技術分野で活動している。
  • マルツエレック株式会社 (Marutsu Elec Co., Ltd.)概要: 電子部品の販売などを手掛ける企業。Tsuyoshi Horigomeと共同で、太陽電池のSPICEモデルの基礎に関するLTSpice入門講座や、SPICE/MATLABユーザー向け二次電池シミュレーションセミナーを開催・提供している。
  • spicepark概要: SPICEモデルを提供しているプラットフォーム。Tsuyoshi HorigomeSPICE PARKにおけるモデルの更新(太陽電池、汎用ダイオードなど)を定期的に行っていることが示されている。
  • ssuser370dd7概要: 2025年の電子情報通信学会NS研究会で、クラウドネイティブなテレコム装置のトラフィック制御に関する考察を発表する人物/アカウント。
  • Kaoru Maeda概要: 2025年にmacOS向け漢字直接入力IMEMacTcode」の開発や、3つのLLM3つの言語でパズルソルバーを作成するプロジェクト「LL2025 キミならどう書く~AI編~」に取り組んでいる人物。
  • Shunsuke Tsuchiya (土屋俊介)概要: 2023年のYAPC::Kyotoで「ChatGPTと文字コード」に関するライトニングトークを行った人物。
  • kazuyabrothers概要: 「生成AIなんでも展示会Vol.4」で展示会用「SpriTalk」アプリ群の紹介資料を発表した人物/グループ。
  • すぎもと組概要: 2025年のCode4Lib JAPAN カンファレンスで、書籍カバー画像配信APIopencover」の開発について発表する人物/グループ。



 

SPICEによるステッピングモーターのデバイスモデリングに関するブリーフィング

  SPICEによるステッピングモーターのデバイスモデリングに関するブリーフィング 要旨 本資料は、システムレベルのシミュレーションへの統合を目的とした、SPICEを用いたステッピングモーターのデバイスモデリング手法について詳述する。中核となるアプローチは、実測されたインピーダン...